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#5(完結) 留学、ビール、摂食障害

こんにちは、ニーナヒェンです。
※暗いこと書くのはこの関連記事だけにしま~す!

留学中、私は摂食障害でした。

これはわたしの中でクリティカルな話になるので、どこかで語っておきたいなーと思っておりましたが、ここに残しておくことにします。

書く目的は以下の通りです。

  • 「いま」つらい人の支えになりたい
  • 終わりはあるということを伝えたい
  • あやうい状況の人を一人でも救いたい

 

注意
かなり赤裸々に生々しい内容を記述しますので、興味のない方は読まれない方がいい(方法なども知らない方がいい)と思っています。

⇩#1はこちら
#1 留学、ビール、摂食障害


実家にいるときは吐けない

2020年春、
コロナ拡大による外出自粛期間、私は実家に戻っていた。いつもは、都内一人暮らし。これから職場にもいけず、人と会話する機会もなくなる。

これはまずいと自覚していた。自宅、独り、暇である。加えて人と会う予定がない。過食を可能にする三種の神器が常にそろった状態である。これはなんとか回避しないと廃人になってしまうということは分かっていた。

実家で出てくる食事は吐かない(そもそも吐く吐かないとかの視点でものを言っていて本当に申し訳なかったと思っている。ごめんなさい)。私の中で、「吐けるもの」「吐けないもの」の基準があった。それは、「作った人の顔が見えているかどうか」だった。母が、友達が、誰かが私のために作ってくれたもの。買ってくれたもの。これを吐くようになってしまったらおしまいだと思っていた。食べ物に差なんてないことくらい分かっているけれど、どうしても、コンビニの菓子パンは、吐きやすかった。加えていつも誰かしらが家にいる(当時は弟も家におりました)!誰かと住んでいるというだけで「吐く」というカードが切れなかった。楽しくて吐く、ストレス解消のために吐くみたいなところもあった私にとっては大きな環境の変化であり挑戦であり吐けないということはストレスでもあった。

 

体重、測るのやめた

体重も測るのをやめた。
ジムも閉鎖されて筋トレも思うようにできなくなった。
一人暮らしをしているときの夕飯はプロテインだけとかサラダチキンだけだった。
怖くなったら食べなければいいが実家ではそうするわけにもいかず、食事をコントロールできなくなることにおびえることもあった。

怖かった。

体重が増えることも、
筋肉が落ちることも明白だった。

かつては「また太るくらいなら死んだ方がいい」と思っていたくらいなのだ。

東京に戻る

恐る恐る体重計に乗る。

6㎏増えていた。

この時の精神的ショックは本当にここ3年くらいで一番を争うくらい大きかった。体重計の数字を見たくなかった。数か月前に来ていたジーンズがぱんぱんなのは明らかだった。だが、このまままた過食嘔吐を始めてしまったら、それこそもう解決手段も潰えてしまうのではないか。そう思った。ここが最後のチャンスである。せっかくここ数か月吐かなかった(※2~3年でもこんなことはなかった。快挙である)自分のがんばりを先につなげなくては。その思いで、前より大きくなっている気がする顔も、体も、鏡をあまり見ないように避けながら、自分をごまかしながら、乗り切った。

食べてしまいたくて、泣きたくて、というか、泣きながら越えた夜もあったりして、なんとか7月くらいには見られるくらいの体重に戻すことが出来た。※それでもまだ留学に行く前の自分くらいの体重だった。

Twitterを始める

なんとか体重以外のことを考えられるようになってから、ドイツ語のことも先に進めたいと思えるようになった。

目下の夢は「もう一度ドイツに長期滞在すること」である。「滞在」に向け、どんな選択肢があるだろうか。まずは情報収集から始めなくてはならなかった。

そこで、ドイツ語用のTwitterアカウントを作った。ドイツに住む方の近くに身を置くことで、モチベーションを上げるのに役立ってもくれている(※いつもありがとうございます!!!)。

Twitterを始めてからの変化が凄まじい。いろんな人に、いろんなことを教えていただいて、いろんなことを始めてみている。楽しい!毎日過食から逃れるだけの、今の会社でぬくぬくしている生活、先が見える生活ではなく、何か違った未来がつくれるのではないかと、今はわくわくしています。

※…と、言うところでこのお話は既に現在に近いことを話しており、昔語りではなくなってきました。

留学のことを思い出す

留学時代のことを前向きにとらえられるようになったのも最近だ。

当時は「留学でドイツ語もできるようになっていないし卒業が一年遅れた割に秀でた部分もなかった。なんのために留学行ったのか」とかなり後ろ向きなことばかり考えていたが、それは時間が解決してくれた。

いや、ドイツ語も英語もままならぬ世界で生き延びただけでもすごいわ。それに一人で旅をして(※安い夜行バスでヨーロッパ諸国に出かけていました)困ってもなんとかしてきたし、留学で学べることって語学ではじゃなかったのではないか。そう思えるようになった。「なんとか生き延びるサバイバル力」、これが留学で身に着いた最大の成果なのではないかと今は思っている。笑

だから、当時は気づけないことって、あるんですよね。きっと。

まだ道の途中

今大成功していてハッピーエンド、だから見ている人を励ましたい、という終わり方に出来たら最高だったのだが、残念ながら私自身もまだ道半ばである。過食嘔吐については2020年11月時点でもまだ衝動と闘わなくてはならなくなる部分がある。

お酒は好きだけどお酒を飲んで過食して吐く自分は好きじゃない。

ビールが好きだけど糖質が怖い。

1本だけ飲むのはとっても楽しいし幸福だけれど、それ以上飲んで食べると「吐いた方がいい」という考えが頭をよぎる。まだまだだね。

ビールと仲良くしたい

ここまで話してきて、「じゃあビール辞めれば?」という意見が出てくるのは、もっともなことだと思います。でも、途中禁酒時期も挟んできて思うのは、「ビールは嫌いになれない」ということなんです。どうしてでしょうね。ビール以外のお酒はもうなくても全然いいけれど、ビールだけはやめたいとは思いません。きっと、「ビールがつないでくれる場」が大好きだからだと思います。

ビールとは仲良くしたい。禁酒も経て私はそう思います。
お酒を飲むとそのまま食べて吐いてしまいたくなる。これは今でも課題ではありますね。

※「ゲーム実況撮りながら1缶だけ飲む」ということが、割とソリューションになってくれていたりします。飲んでて勢いで食べてしまう、という段階(30分くらい)を超えられれば、割といい気分で1缶で終えられたりします。ゲーム実況は自分の為にもしつこく撮り続ける予定です。笑

毎日65点で積み重ねたい

私はこうやって20~25歳くらいを生きてきました。
それって、「いつも100点を取りたい」「人に褒められたい」と思っていたから起こってしまったことなのだなと今は思います。だからもう100点目指すのはやめましょう。というか、社会に出ていつも100点なんて人いません。

仕事中飴もいっぱい食べちゃうしたまにはビールも飲むし、筋トレしてたって毎食たんぱく質20g以上摂れるわけでもないし自炊も毎日なんて出来ない。

でもやらなきゃって思ってた。もうやらなくていい。毎日65点の及第点を取り続けます。心身の健康が第一。でも、土台を積み重ねた先で、今は見えていない世界が見える日が来てくれたら、最高ですね。

 

夢はどこにいても生きていけるようになること

私の夢は、どこにいても生きていける力をつけることです。

日本じゃなくても、ドイツじゃなくても、仕事・職種に縛られなくても。

何がどう助けてくれるか、まだ全然わかりません。
ドイツ語もブログもYouTubeもやってみます。

あと一つ、ずっと思っていること。

私と同じように、留学先で摂食障害に苦しんでしまうような、一生懸命でかわいそうな人の助けにもなりたいです。これはどうやったらできるか、残念ながらいまははっきりしたものは見えていません。が、私の経験がどこかで昇華出来て、だれかを救えるものになるのなら、「摂食障害だったこと」は一つ、私のアイデンティティになってくれそうです。

そして、皆様に一つだけお願いしたいこと。

周りに「おかしいかも」と思う人がいたら、助けてあげてほしいです。
摂食障害は人生をぶち壊します。
わたしは留学先で話せる人がいなかった。
声をかけることはとても勇気の要ることです。なんとなく心配していることを伝えてあげるだけでもいい。どうか、上手に食べられない人、過活動に陥っている人を放っておかないであげてほしい。私は「吐けばいいんだ」とか思っている当時の自分にもし出会うことが出来たなら、力ずくでぶんなぐってどんな手を使ってでも「吐く」ということは覚えさせないようにしていると思います。

ありがとうございました

#1執筆時から以下の目的で書いているとお伝えいたしましたが、

  • 「いま」つらい人の支えになりたい
  • 終わりはあるということを伝えたい
  • あやうい状況の人を一人でも救いたい

終わってみると以下のような気持ちで書いていたような気がします。

  • もし似たような方がいたら、励ますことは出来なくても「同じだけどちゃんと生き延びている人がいる」と安心してほしい
  • 留学先では生きて帰るだけで150点ということを伝えたい
  • 私のことを知ってもらいたい。笑

 

支えになれるかどうかは分からないし、まだ私の中でも終わっていないものだからね。

ドイツ語もドイツもベルリンも、私の中では痛くて辛くて懐かしいものです。きっといつか、ベルリンでにっこり笑える時が来るとしたら、そこでやっと今までの経験を過去に出来るのだと思います。

Mach so weiter!道は続きます。

※ご意見や喝はいつでもお待ちしております(Twitter等でお会いしましょう)!

⇩番外編が出来ました!
#6(番外編) 留学、ビール、摂食障害

2 COMMENTS

六花

少し前まで摂食障害だったので、この一連の投稿を読んで救われました。
吐いたら楽になる、今から考えれば代償行為だったのでしょうが、、止められなかったは皆同じだったんだなと思うと、(ダメなのでしょうが)仲間がいたという安心感を覚えました。
結局、摂食障害の原因に立ち向かうしかないのか、と思うとある種絶望感を覚えつつ、でも何か頑張ろうという気になれました。
ニーナヒェンさんの投稿に救われました。改めてありがとうございます。

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ニーナヒェン

>六花さん
コメントを頂き、ありがとうございます。おつらいご経験をされてきたのでしょう。すべてが同じではないと思うため全部理解できますと言うことはきっと出来ませんが、先が見えず悲しい気持ち、辞めたくても辞められない思い、自分が人間じゃなくなっていく恐怖、分かりたいつもりです。
仲間がいたという安心感を・・・と仰ってくださっていますが、それでよいと思います!むしろそう思って下さる方が一人でもいれば、と思って自分の経験を書きました。六花さんがいらっしゃったお蔭様で私の文章は救われています。ありがとうございます!

きっと、一度知ってしまった「吐くということ」は、忘れることが出来ません。食べたい衝動や「おなかいっぱい」という感覚への恐怖、吐いた方が楽・快感を知ってしまっていることへの抵抗を続けなくてはなりません。時間が戻せたなら、最初に吐こうなどと考えた自分をぶん殴ってでも辞めさせると思います。こんな地獄を知らないから。
でも、だから、私も最近になってやっと立ち向かうしかないんだと思うことが出来ました。急にゼロにすることは出来ないし私もまだたまにやらかします(小声)。ですが、ゆっくり回数を減らしていって、食べることも楽しめるように、自分を許しながら闘いを続けるつもりです。

既に回復されているのでしょうか。もしそうでなければ、10年後くらいに回復することを見据えて長い目で…一緒にがんばりましょうね!

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