しかしドイツ語の試験を受けると、自分がいかに普通で特に元から優れているわけではないということに気づかさせられるんだ。
基礎情報
会場はRotterdam(オランダ)、受験者は6~8人くらい。個別でモジュール指定して受験している人がほとんどだった(何回か受験しているか、それかもともといくつかのモジュールだけを狙って受験してるんだな)。
タイムテーブル
(Lesenはすでに合格しているため受けていないから)11時半くらいからHören、そのあと15分休憩をはさんでSchreiben、私はそのあと1時間半くらい空いてSprechenだった。Sprechenモジュールの受験者は合計6人だった。
PC受験だと思い込んでいたらまさかの紙面受験だった
なぜかずっっとPC受験だと思っていた。ので特にSchreibenがまずいです。本当にまずい。
私はこれまでPC形式で受験したことがないんだけど、聞いたところによればPC受験のSchreibenは「時数を自動でカウントしてくれる」し「切り取り貼り付けもできる」らしいじゃないか!私のSchreibenの作戦は「全体を4つくらいのブロックに分け、書けそうなところから書いていく。ここじゃないなと思ったら文章まるごと移動。だいたいこれくらいの見栄えになれば指定の350単語くらいになるということだけ覚えておいてそこにたどり着くまで文章をバランスよく増やし続ける」だったのにこれがマジで出来なくなっちゃった。どうしよう。本当にへこんだよ。私の生徒さんには「どっちの形式か確認してるよね」とか言ってるはずなのに自分がこれ。みっともなさすぎる。笑ってくれよ。くじけるかと思ったけどC2はモジュール試験、それぞれが独立している試験だから残すSprechenに悪い影響を与えてはいけないと持ち直して頑張った。
試験内容はこんな感じだった気がする
Hören
T3のテーマがAnglizismusだった(直近ドイツ語学校で扱った!)のはよかった。
メモ:問題文の語彙の意味があいまいで決めきれなかった選択肢がいくつかあり無念。
Schreiben
T1の書き換えまあまあできた気がする、難易度たぶんいつもどおり。
T2:Sollten MigrantenKinder mit deutschen Kinder gemeisam in der Schue gelernt werden?
T2ぜったい時数足りてないのマジでつらい。
Sprechen
T1: Sollte es “Eliteuniversitäten” geben?
T2: Ist es sinnvoll, ständig per Handy oder E-Mail erreichbar zu sein?
T1はVortrag haltenでT2はDiskussion。準備時間15分のうちたぶん14分くらいはVortragの準備に使う(予定通り)。ゲーテのDiskussion系はマジで最初の一言以外準備ができないに近いので(準備してもその場の会話の流れで即座に話さなければならないので流れが想像と異なると終わる)、T2はキーワードだけメモって終わり。あとは流れに任せる。なのでその場での準備というより、その日までにどれだけ滑らかに話す練習をしてきたかがモノをいう試験なんだと思っている。
準備15分を終えて部屋に入る、緊張する、震える。女性の試験官が2名。にこやかな試験官(A)に「自己紹介して」と言われて話す。試験官2人にできるだけアイコンタクトしながら話すようにする。2人にアイコンタクトするために動かす首が震える。
T1はマジでいつもやるミスなんだけど、具体例2つ以上言おうとして2つ目以降が出てこなくて迷子になったけどなんとかごまかして持ち直した。ひとまずうまいこと最後まで話せたと思う。時間もたぶんいつも通りかちょっと短いかくらい。その後のAからの質問にもそこそこ答えた(んじゃないかな)と思う。
T2でディスカッションの相手をしてくれた試験官(B)はすごく淡々と表情を変えずに話す人だった。でも私が「これはいい視点じゃないか」と思って話すところでは頷いてくれていた(これはAもBもどっちもそうだった、私がうまいこと話すとうんうんと頷いてくれたけど、言葉に困るとじっとこっちを見てきてつらかった)。「ありがとう、これで試験は終わりです。」と言われて私もありがとうございますと言ったら、そこで初めてBの笑顔が見られた。聞き間違いじゃなければ、「Ah, ich war überzeugt.(あー、納得させられちゃった)」って言ってた。T2のDiskussionの課題(目標)は、「相手を説得すること」だ。おい!そこまで言っておいてせめて合格点はくれよ!!と思った。でもたぶん私が話す内容を面白いと思ってくれたんだと思う、試験が終わってからはカジュアルな雰囲気になって「このテーマすごく現代的でいいよね、ほんとはこれについてもっと話したいよね。日本の話も聞きたいな」と言ってくれた。この雰囲気のかんじ、最低でも合格点はくれているんじゃないかなと思う。私も楽しかった。
でもやっぱり試験ってやってよかったなと思うものだ
受験後にほかの受験生とちょっとおしゃべりしてたんだけど、「私もう休憩時間中に4月の試験申し込んだよ(できなさ過ぎて)」って言ってる子いておもしろかった。でもそうだよな。別に何回でも受けて何回目かにもぎ取ればいいんだよなとも思えた。
私の今回の試験形式想定ミスは痛すぎる。というか情けなさすぎる。恥ずかしー。
でも同時に私、ドジだし愚かだからそのミスから学んでここまで来たんだよなと思い出す。私のドイツ語の勉強も(もっといえば人生も)ぜんぜんクリティカルパスじゃない、欲しいものがなかなか手に入らない、勘違いする、回り道する。病気する。
緊張にもストレスにも弱い。Sprechenなんかすぐに頭が真っ白になる。何を話していたかわからなくなる。私はそういう弱い人間なんです。
私の教え子(同い年だけど)が言ってくれました。語学やコミュニケーションってもともとそれが好きで得意だった人が先生になることが多い気がするけど、ニーナさんはそうじゃないと。そうなんだよね。私がベルリンで毎晩泣いてたこととか、ソシャゲしかやることなかったこととか、トイレの個室がいちばん居心地がよかったこととか(誰にも話しかけられないから)、いま笑い話にできているのと同じように、今失敗していることもいつか笑い話にできるんだよね。そしてこういう経験のおかげで、同じように苦しい思いをしている人のことがわかるようになるんだよね。私、私よりもドイツ語ができる人をたくさん知っているから、私も彼らみたいになれると思ってやってきたけど、彼らは私よりもよっぽど優秀なんだなと気づくんだよね。優秀じゃないならその差を努力で埋めるしかないんだよね。
だから改めて、私が失敗することも結果が出ていないことも、全部話していこうと思いました。ドイツ語の旅は続く。
みんないつも応援してくれてありがとうございます。