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【ドイツ語】telc C1 Hochschule 受験記【ミュンヘン|2022年】

2022年12月9日、telcC1 Hochschuleを受験してきました。忘れぬうちに試験記を書いておきます。

試験開始まで

私は大事な日ほど電車を間違える、電車が遅れる、Google Mapの表示に誤りがある等の理由で時間どおりに到着できないということがよく起こる人間なので、試験開始10時でしたが9:10には最寄り駅に到着しました。近くのマクドナルドでコーヒーを飲み単語カードを見ながら時間を潰しつつ、(会場まで徒歩5分…)などとルートを確認していました。笑

集合時間の15分前くらいに到着しました。今回の受験者は7名のようです。うち1名は既に口頭試験には合格しているので筆記だけを受けるのだとか。試験前に待合室のような場所で集まって雑談をすることが出来、そこでなんとなくみんながどこから来たのか、どんな理由で試験を受けるのか、などという会話をすることが出来ました。

イスラエル(首都テルアビブ)から来た人がいたのですが、彼がなぜか日本・日本語にとても詳しく、私がどこから来たのか話す前に「日本語ってArtikelないよね?でも一人称と二人称すごいたくさんない?わたし、おれ、ぼく、きみ、おまえ、あなた…」と話しかけてくれたのには驚きました。テルアビブから日本には直行便があるんだよ、とも話してくれました。単純に彼が日本に興味を持ち知ってくれていることがおもしろく、嬉しかったです。

マレーシアから来た21歳の男の子も少し日本語を話せるようでした。※この日はこの子とSprechenのパートナーになることになります。

到着・集合後、荷物をロッカーに預け、名前や生年月日などの情報を書き、そのままぬるっとLesenが始まりました。
※念のため、telcはボールペン不可、鉛筆だけなので注意です!

Lesen

練習問題を解いていても私はおそらく読むスピードが速く、90分の制限時間のうちいつも20分くらい余らせているのでまあゆっくり読めばいいだろと思っていました。が、なぜか制限時間は90分あるにもかかわらず、なぜか70分と勘違いし(号泣)、「え!!時間無いんだけど!!」と焦りとりあえずサラーと全て70分で終わらせることになりました。おかしいな終わらないぞ…と制限時間90分に気付いたときにはまだ17分くらい余っていたので(そりゃそう)、すっ飛ばして回答したTeil3とSprachbausteineを改めてじっくり確認していきました。

これは練習問題を解いていてもいつもそうだったのですが、私は「本文を読めば理解できるのに回答の選択で間違える」タイプです。特にTeil1は私なりに回答の理由を説明できるはずなのになぜか間違えます(泣)(泣)(泣)「なぜか」ではなくて、恐らくtelcの求める解法で考えられていないのだと思います。とはいえ稀に全問正解を出すなど、私の理屈とtelcの理屈が合致するときはかなり出来ているように見えるので(笑)、今回もそれを期待して受験したみたいなところはあります。

Hören

これ、本当に理解できませんでした。無念。特にTeil2は話すスピードがとても速く感じました。

これはIch muss zugeben(白状しなきゃいけない)なのですが…Teil2のテーマが「Schwiegermutter(義理の母)」でした。この「Schwieger…」で「義理の…」ということが言えるのですが(例:Schwiegersohnは義理の息子)、正直この単語を私は最近まで知らず、ドイツ語だいすきクラブで教えてもらって初めて知った単語です。あのとき教えて頂いてよかったー音声聞く前になんとなく何を扱う内容かがわかるぞーと思いながら選択肢を読み音声を聞く準備は出来たものの、いかんせんスピードが速すぎてもうびっくりでした。気付いたら2問くらい飛ばしてた。

休憩時間に他の受験者と話した感じ、みんな「リスニングのTeil2ヤバかったよね…」という話で一致したのでやっぱりそうだったんだと思います。とはいえ偏差試験ではなくて6割得点しないと受からない試験なので、もうこれは神のみぞ知るです…。

Schreiben

筆記のテーマは以下2つのどちらかの選択でした。350単語程度です。

  • 街、公共の場での広告(Werbung)の是非(Verboten kommerzieller Werbung in Städtenみたいな感じだったと思います)
  • 権力を持つということの是非(Macht)

Werbungの話は一度練習問題で書いたことがあったので、こちらを選びました。作文の出来は正直自分でも最後まで良く分からなかったのですが、必要な分量を時間内に書き、Artikelのミスがないかチェックまでは出来ました。

Schriftlicher Teil(ここまでの試験)はLesen, Hören, Schreibenで合わせて6割取れればいいのですが、今回HörenのTeil2の音声がものっっっそいスピードが速くてぜんぜん自信がないです。とりあえず出来るベストは尽くしてきたつもりです。作文で6割とる、またはHörenの分の埋め合わせが出来るくらい書けていれば万々歳だと思います。

 

~休憩中~

他の試験(B1など)も並行して実施されていたようで、筆記が全て終わってから口頭試験の実施まで2時間ほど時間が空きました。

既に口頭試験のペアは発表されており、同じ受験者5人も和気あいあいとした雰囲気でよくおしゃべりしてくれるメンバーだったので、「XXって誰?俺とペアだ、よろしくー」みたいな会話が事前に出来たことは安心しました。

試験開始の20分前くらいに部屋に戻ると既に何人かがおしゃべりしてました。先にいた男の子たちに「名前教えて?」と言われたので答えたら、そのうちの1人(既述のマレーシアから来た子)が「あ、じゃあペアだ。よろしくね」と握手してくれました。

Sprechen

Teil1のプレゼンテーションの所要時間は3分なのですが、相手がとても不安そうにしていたということもあり、そして私は速く喋ろうとすると緊張してミスを連発してしまうということもあり、「ゆっくり・丁寧に・言い換えを使って」話すということを心掛けました。3つのTeilに分けて話すという作戦を立てており、①概要、例の紹介、②メリットデメリットの言及、③まとめ、自分の意見を述べる、という形でまとめようと思っていました。が、3分は思ったよりも短く、②のメリットデメリットに入る前に試験管から「あと1分ね」と言われていまいとても焦りました。こちとらメリデメどっちも2つずつ用意してんねんぞ!!!と思いましたが仕方がない(※私の時間配分ミス)ので、とりあえずメリデメをさらっと紹介しつつ、③の自分の意見を述べ、もっと自分の意見に説得力を持たせるためもう一つ例を用意していたのですがそれを紹介することは許されませんでした(あと30秒くらい勘弁してくれよ…)。

Teil2は6分間のディスカッションで、まずは私が「私はこれについて~~と思うんだけど、あなたはどう?」と話を振ろうと考えていたのですが、なぜかここで試験官が「ディスカッションよ??」と口をはさんできました。いや、だから相手に話を振ってるじゃん…と反論するところだったけど踏みとどまりました。そして6分は驚くほど短かかったです。Teil2でも「はい、6分経ったから終わり」と途中で試験官から遮られてしまいました。2人で何回かの会話は出来ましたが、正直あんまり具体的すぎる話をしている余裕もありません。

私はこれまでずっとゲーテの試験を受験してきたのですが、ゲーテの口頭試験は割と時間にやさしめで、例えば制限時間3分のうちちょっとだけ過ぎてしまいそうでも許して3分20秒くらいは話させてくれていた印象です。ですが今回は異なり、3分なら3分、6分なら6分にとても厳しかった印象です。金曜の夕方だったから早くFeierabendしたかったのかもしれない。

まとめ・所感

ということでほぼ運試しのような試験が終わりました。しかし大学受験依頼、2~3か月も集中して勉強したのも久しぶりで楽しかったです。検定試験は何度も受験できるしこれで人生がどうこうというわけでもないと思うのですが、私の中ではここ数カ月はかなり緊張感がありました。

今回しっかりtelc C1 Hochschuleに向き合って勉強して、合格如何にかかわらず良かったなと思うことが大きく2つあります。

1.細部に注意を払うようになった

定冠詞、不定冠詞、形容詞の活用、名詞の性、動詞や助動詞の感覚などのことです。正直に言うとこれまでの私のドイツ語は勢いでクリアしてきたところが多く、名詞の性も活用も覚えなきゃなとは思いながらも、まあ間違えても意味は通じるしなと思ってしまっていたところがあります。

C1の作文、口頭試験、そしてLesenのSprachbausteine(文法知識)では、これら細部をいかに丁寧に理解しているかということが問われるような気がします。特にSprachbausteine(文法知識)は文法知識を問う問題だらけなので、文法をおろそかにしていたC1勉強し立ての時は全22問中5問しか正解できないなどというひどい有様でした。ですが苦手分野こそ伸びしろがあるというもので、Sprachbausteine専用の問題集を買ったり、間違えたところはなぜそうなるのか丁寧に解いていったり、2日に1回は活用迷子になりながら文法書を再確認したりということを繰り返したところ、ある日のSprachbausteineの練習問題では22問全問正解を取ることが出来ました。本番がどうなっているか分かりませんが、少なくとも「私にもやればできる」という自信がついて嬉しいです。これからも細部に注意したドイツ語を使っていきたいです。

 

2.語彙が増えた

C1以上の語彙は、日常生活だけではなかなか増えないと思います。自分が日本でB2を取ってベルリンで仕事をしていて実感しました。日常生活はB2までの語彙で何とかなるのです。ですがC1の語彙はどこか少し格調高いというか、論文や新聞、ニュースで使われることが多いものばかりです。ニュースを見ていれば身について行くのかもしれませんが、例えばNomen-Verb-Verbindungenなんかの語彙は、例えばin Kauf nehmen(受け入れる)などがありますが、これは聞き流していても「今何か買い物(Kauf)の話した?」と理解出来ずに終わってしまうこともあるのではと思います。それらに注意を払い、言い換えが出来る言葉を増やす面白さを知ることが出来たのは、C1を目指して勉強しているからだと思います。

 

同じ試験を受ける方へご提案

作文は本番と同じ紙で練習すべし

正直紙に書くという練習が足りておらず、「いったい本番の回答用紙のどのくらいまで書けば必要な分量が満たせるのか分からない」状態でした。時間と環境が許すのであれば、本番と同じ回答用紙をプリントアウトし、そこに作文をしていく練習をしておくと、「今どれくらい書いているからあとどれくらい」という感覚がつかめると思います。

口頭試験は時間を測って練習すべし

プレゼンテーションと議論のそれぞれ3分、6分は想像しているよりとても短いです。いや測って練習してなかったんかい!というツッコミは足りてますが、私も「まあおおよそこれくらいかな」で話してきてしまったところがあり、反省しています。特にディスカッションの6分はとても短く、2人で話すとお互い2,3のキャッチボールくらいしか出来ません。いかに簡潔に「わたしディスカッションしてますよ」ということをアピール出来るかは感覚をつかんでおくと良いなと感じました。

作文・口頭試験のメリットデメリットは「5W1H」で考えるべし

作文・口頭どちらの試験もだいたい具体例とそれについてのメリットデメリットで議論を組み立てると楽です。ですがそもそもそのメリットデメリットを思いつくのが難しかったりします。悩んだら、「5W1H」のフレームワークを使って案を出していくとダブりもなくきれいな議論が出来ます。例えば「高齢者は運転免許証を返納すべき?」だったら、返納した場合「だれが得する?」「いつ不便になる?」「どこに行くとき?」のようなブレストを一人でしていくと、具体例を思いつくスピードが上がるのでぜひおススメしたいです。

 

以上覚えている限りでの体験記です。とりあえず一番集中が出来ている今の状態のまま、C1が取れる日まで勉強を続けていきたいと思います。
長文お読み下さりありがとうございました。

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