YouTube『ドイツ語だいすきクラブ』更新中!

#1 留学、ビール、摂食障害

こんにちは、ニーナヒェンです。
※暗いこと書くのはこの関連記事だけにしま~す!

留学中、私は摂食障害でした。

これはわたしの中でクリティカルな話になるので、どこかで語っておきたいなーと思っておりましたが、ここに残しておくことにします。

書く目的は以下の通りです。

  • 「いま」つらい人の支えになりたい
  • 終わりはあるということを伝えたい
  • あやうい状況の人を一人でも救いたい

 

注意
かなり赤裸々に生々しい内容を記述しますので、興味のない方は読まれない方がいい(方法なども知らない方がいい)と思っています。

帰国

2016年3月。二度とドイツなんて行くか、と思いながら帰国した。

私は病気だった。太るのが、死ぬほど怖かった。そんなことで?と思われるかもしれないが、当時の私にとっては生きるか死ぬかの大問題だったのだ。
きっかけは、留学前になんとなく始めたダイエットだった。

留学前、なんとなくダイエットを始める

2015年8月から、7か月間のドイツ留学が決まっていた。
「留学に行くとみんな美味しいもの食べてきて太るよ~」と聞いていた。

「だったら行く前に減らして帳尻を合わせればいいじゃん」と思い立った私は、5月、ダイエットを始めた。やると決めたらとことんやる性格のため、2か月で8kg痩せることに成功した。

 

とはいえ当時やったダイエットと言えば、ちょっと多めに歩くことと、一日三食の食事で栄養バランスを気を付けて自炊することくらいだった。これだけでもそれまで深夜に先輩に誘われてラーメンに行ったり徹夜麻雀明けに牛丼を食べに行ったりしていたダイエット前と比べたら食事の質が大きく変化したため、かなり成果が出た方だと思う。同好会のバスケットボールでも、身体が軽くなったおかげで動きやすくなった。減量のペースで言うとそこまで誤ったダイエットではなかったと思っている。服を選ぶのも楽しかった。

しかし問題はここからだった。

太りたくない

みんなが痩せた私を褒めてくれる。
2015年7月、同好会で、大学で。
8月、出国前。皆が痩せた私を褒めてくれた。
「かわいくなったね!」「きれいになった!」「そっちの方がいいよ!」

 

この時、素直に「うれしい」「がんばってよかった」とも思ったが、同時に「二度と太ってはいけない」と思う気持ちの方が大きかった。痩せた私を皆が認めてくれている。でもまた太ったら、今度は逆のことを思われるのではないか?そもそも痩せる前の私を、皆デブ、痩せればいいのに、と思っていたのではないか

 

私はドイツで拒食と過食を覚えた。
痩せてよかったけど、二度と太れないという気持ちを抱えたままドイツへ行った。そこそこに期待していたドイツでの留学生活、目標は、ドイツ語が上手になることと、「楽しんでくること」。

でも。ずっと、ずっと辛かった記憶しかない。私はドイツで拒食と過食を覚えた。

 

大好きなビールが飲めない

元々ビールがとても好きだった。

でも、飲めなくなった。太るから。

ドイツに行っても全然食事が楽しくなかった。現地の学生とのコミュニケーションの場所は、いつも飲み会(というか、決められた場所・時間に話したい学生が集まって話す場所)だった。そこに行けばいくほど生のドイツ語に触れることもでき、友達も出来ると思っていたし、そこに行くことが正しい留学生の姿だと思っていた。

でも、なかなかできなかった。お酒を飲まないといけないから

 

生きたドイツ語に触れてドイツ語が上手くなりたいと思っていたのに、一緒にいるための、その場を円滑にするための食事や飲み物が怖くて、その場所を避けることが多かった。カフェラテの50kcalすら、こわかった。飲み物は水かハーブティー、ノンアルコールビールにも多少のカロリーがあると知ると、怖くて飲めなかった。つまらなかった。ドイツにいるのに。周りの学生は飲みに出て、そこでドイツ語もコミュニケーションも覚えて、前に進んでいるのに。太ることなんかちっとも気にしてないのに。それが普通なのに。どうして普通のことが出来ないんだろう

 

極寒の中、絶食して2時間ランニングした

どうしても飲み会に行かなければいけない日や、さすがにコミュニケーション不足に焦って飲みに行った翌日は、絶食した。毎日体重を図り、0,1kgでも増えていれば絶望し、減っていれば歓喜で全身の写真を撮った。絶食しながらランニング2時間をこなした。

このころから過活動に陥っていった。

 

毎日ウォーキングだったら3時間、ランニングなら1.5時間以上はこなさないと落ち着かず、出来ない自分に落胆した。2月の大雪の日、凍るような寒さの中歩いたし、凍った地面の上を延々と走った。もちろん食事も厳格に管理(出来ていると思っていた)し、一日1000kcalも摂らない日が続いた。

夕飯は大体ヨーグルト1個かささみ2本だった。18時までに食べ終えることが出来なかった日は、大きな罪を犯したかのように怯えた。1日の摂取カロリーを計算し、絶対に食べてはいけない悪の食品をいくつか自分の中で決めていた。自分が正解だと思っていた。

でも。

崩れる時が来た。ドイツは、町中に、駅中に、そこらじゅうにパン屋さんがあって、ショーケースを指さして紙袋に入れてもらって、ハムやチーズを挟んだりヘーゼルナッツペーストを塗って食べたりする。あるタイミングで、我慢の限界が来た。スーパーで買ったパンとチョコ。一口食べたら止まらなくなった。ヘーゼルナッツペーストは、瓶にスプーンをそのまま突っ込んで貪った。絶対悪だと思っていても、止められなかった。

翌日はもちろん、自己嫌悪で死にそうになりながら断食だった。

 

何もする気にはなれなかった。そんなことがよくあった(女性一人とシェアハウスのようなものをしていたけど、バレないように食材を買い込むのは大変だった)。

 

こんな調子で、食に怯え、コミュニケーションやドイツ語の学習まで手が回らず、毎日何のためにこんなことしているんだろうと思いながら走り、朝体重が減っている喜びだけで生き延びた。

 

2016年3月。二度とドイツなんて行くか、と思いながら帰国した。

 

⇒#2はこちら
#2 留学、ビール、摂食障害

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です