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【ゲーテC2|Goethe Zertifikat C2】8割得点するためのSprechen対策【ドイツ語|試験|おススメの方法|使えるフレーズ・表現例あり】

概要

2024年6月末に受けたゲーテC2 Hören, Sprechenモジュールの結果が出ました(Lesen, Schreibenはすでに合格しています)。

 

やっと因縁のSprechenで84点ももらって合格できました…。Hörenまたしても落としたけど…とりあえずSprechenが取れてほんとうに良かった…。

これで3回目の受験です。3回目でやっと合格点をとれました。

1回目
Date: Sep 02, 2023
56.00 out of 100 Points  nicht bestanden

2回目
Date: Feb 13, 2024
54.00 out of 100 Points  nicht bestanden

3回目
Date: Jun 27, 2024
84.00 out of 100 Points  gut!

※苦節1年
試験は良いものです。仮に結果が不合格でも、何がダメだったか、どうすればよくなるか考えるきっかけになります。

特にアウトプット系のSchreibenとSprechenについては、結果を受けてかなり自己分析して対策したつもりでした。ここに、C2 Sprechenを取るまで、特に2回目の不合格の後から何を変えて勉強したか、記録を残しておこうと思います。C2を目指すどなたかの参考になればうれしいです。

1回目の感覚

足りなかったもの:余裕

正直あんまり覚えていないというか、緊張しまくっていたというか。ここがドイツ語試験の最高峰かーと思ったらかなり緊張したのを覚えています。このときは「今の実力(C1取ってから半年)でどこまで評価してもらえるかな」と自分の実力を確認するような気持ちで受験しました。

でもこのマインドじゃ、ゲーテは合格点をくれません。※思い返せば、どちらかというと「この私を落とすなんてことあるのか!?」くらい強気でいかないと、私の場合は合格点をもらえたことがありません。

1回目については、とにかく慣れ・自信・余裕が足りなかったと思います。試験官の反応もあんまりよくなかった。それでも56点ももらえて「案外惜しかったんだなー」という印象でした。次回いけるかな?と思ったくらい。

2回目に向けて

2回目に足りなかったもの:ドイツ語の流暢さ

前回56点だったので、2回目で受かるかも!?と思っていました。対策としては、普通にプレゼンとディスカッションの練習を週1回タンデムパートナーと、そして試験前2か月くらいは週2回italkiで授業を受けてやったくらい。とにかく慣れが必要かなと思っていた。

試験後も、Diskussionの相手だった試験官が「Ah, ich war überzeugt.(あー、納得させられちゃった)」って言ってたから、少なくとも60点(合格点)はくれるかなーと思っていた。正直。むしろ不合格だし点数が下がっていてびっくりでした。一緒に練習してくれたitalkiの先生(C2の合格実績も持っているし、私のドイツ語をB2のときから知っている)も、「Du bist super! Alles gut! Ich bin mir sicher!」とか言ってくれていただけにがっかりでした。

が、あとからこの試験のことを思い返せば、何度か言葉に詰まっちゃったところがあったし、Teil1のプレゼンテーションでは準備時間に作ったメモを凝視しながらしゃべっちゃったかもなと反省もしました。B1以上のプレゼンテーションがある試験では、私たち日本語ネイティブが思う以上に「アイコンタクト」、相手のほうを見て話すということが重要視されている気がします。準備時間があるので、もちろん準備用にメモを作るのはいいのですが、そればかり見ていると超大幅減点って感じがします。

多分このあたりだと思いました。改善の余地。ただ、メモを見すぎずにfrei sprechenするためには、同じことを頭の中で、出来るだけ少ない情報を使って即興で作文することが必要だと分かりました。よりスムーズに頭の中で即興ドイツ語作文するために、音読と作文、フレーズまるごと暗記を山ほどやった気がします。

3回目に向けて

「ドイツ語が話せる」ということそのものはもうあんまり関係ないんだなということが前回で分かった(そんなのは当たり前で、あとはどれだけ自然に流暢に話せるかという世界だと分かった)ので、とにかくスムーズにいこう、流れるようにドイツ語を話そうということを目標に練習しました。
具体的には以下をやったことが功を奏した気がします。

以下、具体的にやってよかったなと思うポイントを3つ書きます。

1 使いたいフレーズをゴリゴリに決めちゃって覚えた

特にTeil1のプレゼンテーションは、「当日の準備時間15分で新しく考えるべき内容を出来るだけ少なくしておく」のがB1以降共通する正攻法です。以下フレーズを(テーマにはよるものの)ほぼ絶対使い、ミスらない自信を持ち、且つ「暗記してきたことを吐き出しているんですよ」という感じを見せないように「「「演技」」」することを意識して喋る練習をしました。自分が話す様子を動画に撮り、どれくらいアイコンタクト出来ているか、そしてどれくらい「「「演技」」」出来ているかをチェックしました。

Vortrag

Lassen Sie mich vorab den Aufbau des Vortrags kurz skizzieren.
Zunächst … Anschließend … Abschließend
Was XX anbelangt, …
Es ist ein großes Anliegen unserer Zeit, …
in unserer technisch fortgeschrittenen Zeit …
Da wir uns in einem demografischen Wandel befinden, …
es sei denn, …
abgesehen davon, …
zur Verfügung stehen (stellen)
was dazu beiträgt, … (einen Beitrag zu 3 leisten)
was dazu führt, …
auf 4 Rücksicht nehmen
in Kauf nehmen
eine entscheidende Rolle spielen
im Hinblick auf 4
mit 3 umgehen
Zusammenfassend lässt sich dazu sagen, dass XX sowohl positive (※任意の複数形、例:Auswirkungen) als auch Herausforderungen mit sich bringt.
Meinem Erachten nach
Meiner Ansicht nach
Meiner Auffassung nach

Diskussion

Ich vertrete die Meinung, dass …
Ich bin davon überzeugt, …
Ich gehe fest davon aus, …
Zwei Gründe dafür würde ich nennen.
Das kann ich mir gut vorstellen, aber …

2 ひとりディスカッションいっぱいやった

以下「あるあるテーマ」の10本ノックを作り、暇さえあればディスカッションを想定してぶつぶつ言ってました。前日、前々日はほんとに1日中ぶつぶつ言ってた。

1 Sollte die Wohnung luxuriös und prunkvoll sein?
2 Sollte man seinen Urlaub aktiv gestalten?
3 Sollte man auf das Auto verzichten?
4 Sollte man sich von einer fleischreichen Ernährung zurückhalten?
5 Sollten Kinder schon früh Englisch lernen?
6 Sollte man während des Studiums Teilzeit arbeiten?
7 Sollten Pflegeheime kostenlos sein?
8 Sollte man den Führerschein bereits mit 16 Jahren machen?
9 Sollten alle sportlichen Aktivitäten bei Hitze verboten werden?
10 Sollten alle Atomkraftwerke abgeschaltet werden?

このとき、ProとKontraどちらの立場にも立ってブレストする練習もしました。ディスカッションでは、必ずしも自分が思っている立場に立たなくてもよいのです。より多く説得材料が出た、思いついたほうに立つ方が楽です。C2では、「相手を可能な限り説得する」ことが課題に含められています。論破まではいかなくても、どうすれば相手を説得できるか考えたときに、実は「自分が思っていなかった立場に立った方が」Faktが多かったり、説得材料が多かったりします。

特にT2のディスカッションは、当日の準備はほぼ出来ないと思います。相手が何と言ってくるかによっても違うので。そのときとっさに打ち返せるかどうかは、もう「実力」が出ちゃう。Sprechen全体の準備時間は15分ありますが、そのうちほとんど、13分くらいをT1のプレゼンにつぎ込んだほうがいい(と私は作戦を立てました)。ということは、T2は「これまでどれだけ話す練習をしたか」でしかありません。

また、「スムーズさ」を追求するという点で、「言い換え」もすぐに思いつくようにバリエーションを増やしました。これは「話している途中で戻ったり、言い直したりすることを出来るだけ避けるため」です。

例えば、以下5つの文章はほぼ同じことを言っていますが、表現の仕方が異なります。

1 Ich bin letzte Woche nach Berlin gereist.
2 Ich habe letzte Woche Berlin besucht.
3 Ich habe letzte Woche einen Ausflug nach Berlin gemacht.
4 Ich habe letzte Woche in Berlin einen Spaziergang gemacht.
5 Ich besuchte letzte Woche Berlin.

流暢に、途中で止まらず話せるようになるためには、物事を表現するさまざまな方法をたくさん持っていることが大切だと思います。例えば、本当は「Ich bin letzte Woche nach Berlin gereist」と言いたかったのに、うっかり「Ich habe …」から始めてしまった場合、「Ich habe letzte Woche Berlin besucht」と違う言い方をとっさに選ぶことで、言葉に詰まる、または最初から言い直すことがなくなります。

このあたりのリカバー力、違う言い方をとっさに選ぶ力、これがいわゆる「流暢であること」なのではないかと、ここ1年の勉強の結論として思います。

 

3 前日やった内容が試験で出た。笑

試験対策にあたり、ドイツ語だいすきクラブでは毎週C1勉強会をやりました(来てくれてありがとうねみんな!)。試験前は、C2受験を想定したプレゼンテーションの練習に付き合ってもらいました。

そこで試験の前日までトレーニングをしたのですが、なんとその試験前日に扱ったのがエコツーリズム(Ökotourismus)で、今回の出題の内容とかなり近いものだったのです!
※今回のT1のテーマ:Welche Auswirkungen hat der Tourismus auf die Einheimischen?(観光は地元の人々にどのような影響を与えますか?)

おかげさまですごくフレッシュな記憶をさかのぼってプレゼンすることが出来ました。よかった。

2回目と違うところ:教授法の勉強を始めたこと

わたしは2024年5月からDLL(Deutsch Lehren Lernen)の勉強を始めました。これはドイツ語教授法のWeiterbildungのようなもので、キホンは「すでにゲーテや他Institutでドイツ語を教えている人」が対象です。みんなすでに「ドイツ語の先生」なわけです。ここでは毎週たくさん課題をこなしながら、2週間に1回オンラインで意見交換をする必要があります。これ続けたことがよかったのかも、とも思います。

いろんな国のドイツ語の先生が参加しています。ネイティブスピーカーもいます。みんな「ドイツ語の先生」をやっている中、私も「そんなドイツ語で大丈夫か?」と思われないようにしっかり準備しなきゃとか、当日も出来るだけきれいにしゃべらなきゃとかすごく気を付けて話しました。毎回疲れるけど、よくできたときや発言出来たときは嬉しいです。わー私もドイツ語でこんなにディスカッションできるんだーと思うと楽しいです。これを定期的に続けた結果、「きれいに話す」ことが自然に意識できるようになったんです。これもC2をとるうえで大きな役割を果たしていた(eine wichtige Rolle spielen …)と思います。

まとめ

多くの仲間に助けてもらって、やっとここまで来ることが出来ました。いろんな人の顔が思い浮かびます。タンデムパートナーにも週1回ボコボコにしてもらいました。たいへんありがたかったです。ドイツ語が勉強できるいまの環境にも感謝です。

(Hören以外のモジュールで)C2を取るところまで来ても、毎日分からないこと、新しい単語がたくさん登場します。C2全モジュール取ったら、「やっとドイツ学習の出発地点に来た」と思うことにしよう、と考えています。終点ではなく。外国語としてドイツ語をやる以上、終わりがありません。だから楽しいんだと思います。わたしは一生ドイツ語を続けると思います。

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